今回は、ポートランドで「お気に入りのベーカリーカフェ」についてお伝えしていきます。
前回、「オレゴン州ポートランドの魅力」についてご紹介しました。
ポートランドは「全米で最も住みやすい都市ランキング1位」になるほど注目されている街です。
わたしはベーカリーやカフェが大好きで、旅行するたびに、各都市の「地元に愛されるお店」を巡ることが毎回の楽しみでもあります。
その中でもとくにポートランドはハイレベルです。
ご存知のように、ポートランドはカフェの街。代表的なカフェといえば「Stumptown Coffee Roasters(スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ)」が有名ですよね。
サードウェーブ(第三の波)と言われる、産地や農園、品種、焙煎の仕方にとことんこだわった製法でつくられたコーヒー豆を使い、「一杯のコーヒーに込められた想い」が伝わるカフェが多いです。
そして地元の人達も、自分たちの好みにあった、「お気に入りのカフェ」で過ごす時間を大事にしています。
そんなこだわりのコーヒーのお供になるのが「ペイストリー」だったり「サンドイッチ」になるわけですが、『そのコーヒーに見合うもの』でなければなりません。
ですからポートランドには美味しいベーカリーがたくさんあるのです。そしてベーカリーもしかり、「こだわりのペイストリーに合う美味しいコーヒー」を求めています。
今回のポートランド旅行の目的は、「ベーカリーカフェに行くこと」です。
美味しいペイストリーが急に食べたくなり、日帰りで片道2時間半かけて強行突破しました。
あまり時間がありませんでしたが、「お気に入りのベーカリーカフェを2件」を巡ってきましたので、ご紹介します。
目次
ポートランドでおすすめのベーカリーカフェ①「Little T American Baker」
わたしがはじめて「Little T American Baker」のペイストリーに出会ったのが、お気に入りのカフェ「Coava Coffee Roasters(コアヴァ・コーヒー・ロースターズ)」でのことです。
ここのコーヒーが好きで、来るたびに訪れるのですが、ここで売られているペイストリーが何を食べてもとっても美味しかったのです。
前回訪れたときに、スタッフに尋ねてみました。
わたし:「ここのペイストリーがコーヒーと良く合って美味しいね。お店で作ってるの?」
スタッフ:「いいえ、うちのは【Little T American Baker】から毎日届けてもらってるのよ」
ということでした。今回ぜひ訪れてみたいと思ったのです。
「Little T American Baker(リトル・ティー・アメリカン・ベイカー)」とは
「Little T American Baker(リトル・ティー・アメリカン・ベイカー)」はポートランドでグルメな通りで有名なディビジョン・ストリートにあります。
オーナーでパン職人でもあるTim Healea(ティム・イーリー)氏によって設立されました。
オーナーのTim Healea氏は出版社に努めいていたジャーナリストでした。
心機一転、料理に興味を持ち料理専門学校へ通いはじめます。その際にパンと出会い、独学で酵母について学びます。そしてポートランドの老舗ベーカリーで働きはじめ、独立し現在に至ります。
お店のコンセプトは「flour science hands & heart(小麦粉、科学、手と心)」です。酵母を一から作り、発酵させるプロセスと製パン科学の知識、ハンドシェイピングスキルの習得、そして焼くことへの愛と情熱。そして材料へのこだわり。伝統的で昔ながらの方法を使用しながら革新的なパンやペイストリーを焼き続けています。
-Little T American Baker ウェブサイトより-
おすすめのウェブサイト「Noren Portland」でTim Healea氏のインタビューがあります。詳しくはこちらをご覧ください。→Tim Healea氏のインタビュー記事はこちら
「Little T American Baker」の場所
2600 SE Division St, Portland, OR 97202
【営業時間】
月~土曜日 7時00分~17時00分
日曜日 8時00分~14時00分
※2019年5月現在
【地図】
「Little T American Baker」の店内の様子
お店の中は広く、席もたくさんあります。光が差し込みとっても居心地がいいです。
コンセプトでもある「flour science hands & heart」の文字があります。奥がキッチンになっており、ここでパンを製作しています。
オリジナルのTシャツやバッグ、オーナーが紹介された本も売られています。
ディスプレイは2段になっており、下段の写真です。手前はペイストリーで、奥にはクッキーが並んでいます。
上段にもたくさんのペイストリーが並んでいます。
写真にはありませんが、レジの横に「バゲッド」などのパン類が並んでいます。次回訪れた際にはオーナーTimさんのオススメである「バゲッド」買ってみたいです。
それから、サンドイッチなどの軽食も食べれますよ。
「Little T American Baker」のパンの特徴
「なぜわたしがここのペイストリーを好きか」と言いますと、2つのポイントがあります。
ポイント①: 少し「塩味」を感じられるからです。和菓子でも同じですが甘いだけよりも、少し「塩味」をきかせることにより、とてもバランスよく感じるからです。そして甘さがちょうどいい。
ポイント②: デニッシュやクロワッサンの生地がしっかりしていること。口の中に入れた時、「カリッ」と硬さを感じます。そして咀嚼すると、しっかりと素材の味を感じることが出来ます。ずっと噛みしめていたくなります。
そして「伝統的なヨーロピアンな手法」を守りつつ、世界中のパンを知り、その要素を自分のパンに取り入れ「革新的なアイデア」を入れていく。
だからお店の名前もあえて「“American” Baker」にしたのかなぁ、とわたしなりの解釈です。
「Little T American Baker」で買ったもの
「Little T American Baker」で買ってきたもののは4つ。
時計回りに、
右上、①「Chocolate cupcake」
右下、②「Chocolate brownie with sea salt」
左下、③「Kouign Amann(クイニーアマン)」
左上、④「Flourless hazelnut chocolate bar(小麦粉なしのヘーゼルナッツチョコバー)」
買ったのも①「Chocolate cupcake」
これは娘のチョイスです。わたしだったらアメリカのカップケーキは甘すぎるので選ばないのですが、ついてきてくれたご褒美です。
一口もらいましたが、「甘さがとっても控えめ」でした。「ふんわり」していてバタークリームとの相性もバッチリです。これは美味しい!
買ったのも②「Chocolate brownie with sea salt」
「Coava Coffee Roasters(コアヴァ・コーヒー・ロースターズ)」ではじめて食べたものです。今回リピートしました。
ブラウニー生地の中に「チョコレートがゴロゴロ」と入っており、トップに「粗塩」がしっかりめにのっているのですが、バランスがとってもいいんです。
そしてコーヒーにとってもよく合います。ちなみにこちらのコーヒーは「Coava Coffee Roasters(コアヴァ・コーヒー・ロースターズ)」のものを使っています。
買ったのも③「Kouign Amann(クイニーアマン)」
ここのデニッシュ生地が大好きなので、ダイレクトに感じられるクイニーアマンをチョイス。
外側が「カリッ」として口に運ぶと、「しっかりとした生地」から素材の美味しさを味わうことができます。
やっぱりおいしい。次は「季節のフルーツ」ののったデニッシュをトライしてみたいです。
買ったのも④「Flourless hazelnut chocolate bar(小麦粉なしのヘーゼルナッツチョコバー)」
ビジュアルがとっても美しく、「お店に入って一番に買いたい」と思ったのはこちらです。生
地に小麦粉をつかっておらず、食感としては「マカロン」の生地みたいに「ホロッ」と柔らかいです。そして中のヘーゼルナッツクリームが軽く、チョコレートクリームといい相乗効果。
そしてなかに「クランチーなキャラメル」のようなものが入っているのか、すべてを口に入れた時のバランスが絶妙です。食感を計算されており、これはすごいと感じました。ぜひまた食べたい。
ポートランドでおすすめのベーカリーカフェ②「Ken’s Artisan Bakery」
「Ken’s Artisan Bakery」を知るきっかけは、ポートランドで一番有名だったからです。
ポートランドのベーカリーはレベルが高いと聞いていたので、ぜひ試してみたくリサーチしました。そこで出てきたのが「Ken’s Artisan Bakery」だったのです。
「Ken’s Artisan Bakery」のパンは、ポートランド中の名だたるレストランで使用されており、ぜひ行ってみたいと思ったのです。
はじめて行ったときは「バゲッド」と「パン・オ・ショコラ」を買いました。
その美味しさ今でも忘れません。それからポートランドに訪れた最終日には、「Ken’s Artisan Bakery」でパンを買って帰ることが定番となりました。
「Ken’s Artisan Bakery(ケンズ・アーティザン・ベーカリー)」とは
「Ken’s Artisan Bakery(ケンズ・アーティザン・ベーカリー)」はフランスで修行したKen Forkish(ケン・フォーキッシュ)氏により2001年に設立されました。
オープンしてからずっと伝統的であることにこだわり、ポートランドの人々に受け入れられています。今では観光客もたくさん訪れるようになり、たいへん賑わっています。
有名になったことの一つに、彼が書いたレシピ本「FLOUR WATER SALT YEAST」が料理会の「アカデミー賞」と呼ばれる「ジェームズ・ビアード賞」で賞をとったことです。そしてその本はアメリカでベストセラーになりました。
【インタビュー】
https://www.youtube.com/watch?v=5yo9U1igcvQ
日本でもKen Forkish(ケン・フォーキッシュ)氏の著書「FLOUR WATER SALT YEAST」を買うことができます。
「Ken’s Artisan Bakery」の場所
338 NW 21st Ave, Portland, OR 97209
【営業時間】
月~土曜日 7時00分~18時00分
日曜日 8時00分~17時00分
※2019年5月現在
【地図】
「Ken’s Artisan Bakery」の店内の様子
落ち着いた通りの角に「Ken’s Artisan Bakery」があります。ガラス張りになっているのでパンを製作しているところが見えます。

店内にはケーキやマカロンなどの製菓、ペイストリー、パン類がたくさん並べられています。

マカロンやケーキ類が2段にならんでいます。これらもとっても美味しそうです。

ランチメニューも充実しています。10時~16時までオーダーできます。

店内はとっても混雑しています。もう少し写真を撮りたかったのですが、撮れませんでした。
店内にイートイン・スペースがありますが、ほとんど席は埋まっているので、「座れたらラッキー」だと思っていたほうがいいでしょう。
たくさんのパンやペイストリーがあり、迷ってしまいます。注文される際は、「列に並ぶ前にあらかじめ何を注文するか」決めてからのほうがいいでしょう。
オープンキッチンなので店内からを、パン職人さんたちのキビキビと働く姿がみられます。パンが次から次へと出来上がり、できるなら1日中ながめていたいですね。
「Ken’s Artisan Bakery」のパンの特徴
わたしがはじめて「Ken’s Artisan Bakery」を訪れたときに食べた「バゲッド」の美味しさが忘れられません。
外側は「パリッ」と中は軽くふわっとしています。そして噛みしめると「小麦の味」を感じることができます。シンプルだからこそわかる食感の良さ感動的な美味しさです。
それから「クロワッサン」もいただきましたが、これもすごい。「生地とバターの薄い層」が重なり、噛んだ瞬間に「サクっ」とそしてホロホロと落ちていきます。
食感がとても楽しい、そしてバターの香りが口に広がり素材の美味しさをしっかり感じることができます。
買ったのも①「Baguette(バゲッド)」

買ったときは、「出来たて」でまだ温かかったんです。そのまますぐ食べたかったのですが、柔らかかったので大事に持って帰って、家で食べました。

写真のように、とっても長いです。「70~80センチくらい」あります。

写真では見えづらいですが、材料は「Low gluten wheat flour, Water, Sea salt, Yeast (低グルテンの小麦粉、水、海塩、イースト)」のみです。とってもシンプル。
ちなみにわたしはバゲッドを買うと、半分に切り「発酵バター」をつけて食べるのがお気に入りです。
翌日は少しトーストして「野菜スープ」をつくって、バゲッドとともに食べるシンプルな食事が好きです。
買ったのも②「Herbed Goat Cheese & Leek Croissant(ハーブとゴートチーズと西洋ネギのクロワッサン)」

手にとった瞬間、「ハーブのいい香り」がします。そしてクロワッサン生地にゴートチーズと西洋ネギが練り込まれています。トップにもチーズをのせて焼かれているので「カリカリ」です

半分に割ったところです。「外はカリカリ、中はふわふわ」で、ハーブやチーズ、西洋ネギのハーモニーがよく、とっても美味しくて感動しました。これは本当におすすめです。
待ちきれなくて、お店を出た車の中で、5分で食べてしまいました。
まとめ:ポートランドで超おすすめのベーカリーカフェ2選
今回ご紹介したペイストリー類の価格は「3ドル~5ドル」です。4ドル前後のものが多かったと記憶しています。
そしてお伝えしましたように、この2件とも「オーナーはパン職人」でもあります。そしてお二方ともセミナーの講師として日本を訪れたことがあるのですよ。なんだか親近感が湧きますね。
アメリカだと「お店が有名になるとすぐに店舗を増やそう」としますが、それをせず、職人気質で地元に根付いたベーカリーカフェであることも、共通点であります。
わたしの夢は家の近所にベーカリーがあって、「朝焼きたてのパンをすぐに買いにいけること」ですが、この2件が近くにあれば最高ですね。
ポートランドにはまだまだ開拓したいベーカリーカフェがありますが、リピート大好きなのでまた次回も訪れると思います。
その時は、「セイボリー(甘くない惣菜系)を“Little T American Baker”で、ペイストリーを“Ken’s Artisan Bakery”」で食べてみたいと思います。
ポートランドを知り尽くすには時間がかかりますね。また訪れた際にはご紹介します。
さいごまでお読みいただきありがとうございました。
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